『内発的動機付け』と『外発的動機付け』を理解すると、
モチベーションと勉強の質が上がります。

『内発的動機付け』『外発的動機付け』は
勉強に限らず、スポーツや労務管理でも用いられる
基礎的なモチベーション理論です。

『内発的動機付け』は、
自分の内側からメラメラとわき出る動機付けで、
これに支えられているのは、
「将来こうなりたいから、
こういう大学に行って、
そのためにはこういう高校に入って、
そのために今自分はこうがんばる、
そして、次のテストでは○番以内に入る」という"志"がある人、
自分の能力・才能・個性を高めたい人、
あるいは、勉強そのものに面白さを感じる人たちで、
テストや受験のためにがんばるのはもちろん、
勉強を通して自己を高めようとするので、
質の高い勉強をします。

それに対して
『外発的動機付け』は
他者からの刺激に反応する動機付けで、
それに支えられているのは
「叱られたくないから」
「ご褒美がもらえるから」
「課題だから仕方なく」
「テストだから仕方なく」
勉強する人たちで、
最低限のことしかしないので、
勉強の質が高くありません。

(勉強の質が高ければ良い成果が出ます)

内発的動機付けに支えられている人は
課題を通して理解や暗記を深めます。
それに対して、外発的動機付けに支えられている人は
課題を通して何かを学ぶというより、
それを終わらせることが目標です。

内発的動機付けに支えられている人は
「これだけの内容を理解できた」
「これだけ単語・用語を覚えた」など、
勉強の質を高めようとし、
それができると満足するのですが、
外発的動機付けに支えられている人は
「今日は3時間勉強をした」
「今日は課題の○ページが終わった」
「単語をノートに○回ずつ練習した」など、
それが身に付いたかどうかよりも
形式的な量を求め、それに満足します。

内発的動機付けに支えられていている人は
「テストは勉強の一部」だと考えるので、
「テストのため」以上の勉強をしようとし、
テストが終わっても、せっかく身に付けたものを
失わないように心がけるのですが、
外発的動機付けに支えられている人は
「テストで点を取ること勉強だ」と考えているので、
「テストで何とかなればよい」と表面的で質の低い勉強をします。

外発的動機付けの人にとって
勉強は"義務"かもしれませんが、
内発的動機付けの人にとって
勉強は"義務"ではなく"挑戦"です。

「お金のため」など
義務のために働いている人は
仕事が面白くなく、仕事の質が低いように、
義務のために勉強をする人にとって
勉強は面白くなく、その質も高くありません。

内発的動機付けによって勉強をしている人は、
知識だけではなく、
行動力・習慣力・集中力・計画力など、
社会人になってからも必要な能力の基礎、
合格以上の価値を
受験を通して身に付けることができます。

また、内発的動機付けの人は、
インセンティブなしでも、
自ら考え、自ら行動し、自ら反省をして次回に生かすことができるようになります。
本来、教育が育てようとしているのは
このような自立した人格です。

就職面でも、あらゆる企業が欲しているのは
外発的動機付けによって支えられ
ロボットのように、ボタンを押されてから行動する人ではなく、
主体的に行動できる人材です。

外発的動機付けは
テスト直前期・入試直前期など
短期的には効果はあっても、
それが長続きしません。

例えば定期試験前に外発的動機付けで頑張ることができても
テストが終わると全然勉強をしなくなることがあります。

また、志望校合格のために、
入試前には頑張っても、
「合格することがゴールだ」と思っている人たちは
それに満足して、せっかく良い高校に入学したのに
びっくりするくらい勉強をしなかったりします。

内発的動機付けの人にとって
志望校合格は"ゴール"ではなく"通過点"です。

外発的動機付けが強い人は、
目先の課題さえ・テストさえ・入試さえ何とかなればよい、など
短絡的な思考の持ち主になります。

多くの大人は
仕事でも勉強でも
内発的動機付けに支えられているときには
仕事・勉強の質が高く、
外発的動機付けに支えられているときは
仕事・勉強の質が低い経験があると思います。

しかし、
内発的動機付けを養成するには時間がかかります。
だから入試を見越して、
早い時期から内発的動機付けを育てていくことが大切です。

外発的動機付けは、
手っ取り早く、
一度うまくいくとつい利用したくなりますが、
何度も同じことが通用しませんし、
外発的動機付けは、
せっかく芽生え始めている内発的動機付けをつぶすことがあります。

当塾では新人講師に対して、研修初日に
この動機付けの話をします。

そして当塾では、内発的動機付けを育てる指導を心がけ、
アメとムチなど
外発的動機付けにつながるようなことはしません。

何のために勉強するのかが見失われているからこそ、
内発的動機付け・外発的動機付けを理解することには意味があります。

<まとめ>
勉強とモチベーションの質を上げるためには
内発的動機付けを高めることです。

そのために、すぐにご家庭でできることは
安易な外発的刺激を避けることです。

(補足)
内発的動機付けと外発的動機付けを完全に区別することは難しいです。
人によって、状況によってこの2つを線引きできないことがありますし、
オリンピック選手などを見ていると、
外発的なものが内発的なものに昇華しているように感じることがあります。